1 システムの構成技術

1.1 クライアントサーバシステム

クライアントサーバシステムの長所と短所
長所 機能に対応したハードウェア/ソフトウェアの洗濯が可能
システムの機能や性能に対し柔軟な拡張性がある
可用性(稼働率)の高いシステムの構築が可能
アプリケーション開発の生産性・保守性が向上
GUIを利用した操作性の高いアプリケーション開発が可能
短所 分散化によってシステムのパフォーマンスが低下する
ネットワークの負荷の予測が困難
ハードウェアの管理や保守の作業量が増加
異なるメーカーの製品であると障害発生時に原因の特定が困難
データ共有に伴うセキュリティの維持が困難     

1.2 システムの構成方式

コンピュータシステムの高信頼性や高稼働率を図る考え方に、フォールトトレランスフォールトイントレランスがある。 フォールトトレランスはプロセッサを含めてあらゆる機器を多重化する。冗長構成をとることで信頼性を高める。 フォールトイントレランスはシステムの構成要素に信頼性の高い機器を使用することで、 障害発生を抑えようとする。

コンピュータシステムの構成

シンプレックスシステム
CPUが1台で構成される。経済的であるが、安全性、信頼性、処理能力の面で劣る。

タンデムシステム
2台のコンピュータを直列に接続した構成。

  
デュプレックスシステム
  
並列の2系列を、一方の系列でオンライン処理、他方の系列は待機系として バッチ処理などを行っているシステム構成。オンライン処理の系列に障害が発生すると バッチ処理の系列に切り替えてオンライン処理を行う。 予備系列を常に待機させておくホットスタンバイシステムと、呼び系列を他の業務に使っていたり 電源を入れない状態で待機させておくコールドスタンバイシステムがある。   

  
デュアルシステム
  
2系列で同期運転を行い、処理結果を照合するシステム構成。障害発生時は障害の発生した系列を 切り離して続行運転する。   
  

1.3 処理携帯


2 システムの性能・信頼性

2.1 性能指標

CPUの処理能力
評価尺度
説明
MIPS
Million Instructions Per Second
1秒間の実効命令数を106(百万)単位で表示
FLOPS
Floating Point Operation Per Second
1秒間の浮動小数点命令の実行時間を表示
命令ミックス
平均的なプログラムの命令の出現頻度と実行時間から
1命令あたりの平均実行時間を表示
SPEC
Standard Performance Evaluation Corporation
UNIXの総合的な処理能力評価のベンチマーク

バッチ処理の処理能力
評価尺度
説明
スループット
単位時間当たりの処理可能なジョブ数やデータ量
処理能力ともいう
TAT
Turn Around Time
ジョブを入力してから出力を得るまでの時間

OLTP (OnLine Transaction Process: オンライントランザクション処理)
ホストコンピュータにオンライン接続された複数の端末からホストコンピュータにメッセージを送り、 ホストコンピュータで処理した結果を端末に送り直す処理形態。

評価尺度
説明
応答時間
入力が完了してから、出力が開始されるまでの時間
レスポンスタイムともいう
TPS
Transaction Per Second
1秒間に可能なトランザクション件数
TPC
Transaction Processing Performance Council
OLTPの性能評価のベンチマーク