民俗学(日本の風土と信仰) 

開設時期 授業形態 授業区分 単位数  免許・資格  担当教員
1年 前期 講義 必修  幼・保  金子 毅
授業の目的 民俗という言葉を聞くと、「伝統」と勘違いする人が意外に多い。また何を行うかというと祖父や祖母の時代の昔語りを思い浮かべる人もあるだろう。IT技術などによるグローバル化の進展の中で、「今なぜ日本で民俗を学ぶのか」、と問えばネッシーなどのように失われた世界の如く感じられるかもしれない。だが、民俗は暮らしの中に存在し、時代や社会の歩みとともに絶えず変化し続ける文化であり、そこに潜む隠れた原理が我々を動かしているという点だけは理解しておく必要がある。受講生は「お話」を例にとった本授業で、見知らぬ他者の中に映し出される意外な自己の姿を発見しいていくことになろう。これが判った時に自分と他人とを隔てる回路の存在を踏まえ、これを原点に相互理解への窓口に立つことが可能となる。それは民俗が学問対象として有効性を持つことを示している。
授業の計画  1.イントロダクション:日本で民俗を学ぶ意味(身近な暮らしの中に潜む文化を見出す)
 2.民俗と類似した言葉:伝統との相違(時代とともに移り変わる民俗)
 3.お話からはじめよう:@昔話と伝説(タテに伝わる話)
 4.お話からはじめよう:A世間話から都市伝説へ(ヨコに伝わる話)
 5.お話からはじめよう:B昔話と世間話(タテとヨコの意外な関係)
 6.お話の主人公たち:@幽霊と妖怪(どう違うのか)
 7.お話の主人公たち:A時代が生み出した新たな恐怖(オカルトと公害の意外な関係)
 8.お話は警告する:@予兆と禁忌(事前に未来を知る知恵)
 9.お話は警告する:A占いと呪い(困ったときの神頼み、他人を呪わば穴二つという思考)
10.お話は警告する:B祟り(日本人が神仏を恐れるわけ)
11.お話に描かれた神と人との交わり:@ハレとケガレ(悪い状況と回避のための思考法)
12.お話に描かれた神と人との交わり:A祭り(日本人が祭り好きなわけ)
13.お話に描かれた神と人との交わり:B年中行事(正月などはなぜめでたいのか)
14.お話に描かれた日本人の人生観:通過儀礼(七五三や成人式を行うわけ)
15.エピローグ(総合討議):お話が日本人をつくった(文化に操られる自分の姿を見出す)
成績評価法 筆記試験、提出物、その他
テキスト 特に指定しない(代わりに授業時に資料などを配布する予定です)
参考書 『忘れられた日本人』 宮本常一著 岩波書店
『現代の民話』 松谷みよ子著 中央公論新社
『のんのんばあとオレ』 水木しげる著 筑摩書房
関連科目 人間と文化・環境、生活文化論
学生へのメッセージ 参考文献および配付資料はこの果ての知れぬ知の大海原へと乗り出す冒険の羅針盤です。くれぐれもなくしたり、忘れたりして自分の存在位置を見失うことなどなきよう。


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