[転倒]
朝散歩中公園のブランコの支柱にぶら下がってストレッチをしていた。その脇を通りすごそうとした妻が、支柱の根元に足を引っかけて、すってんころりと転んでしまった。まあ蛙の四つん這いみたいな格好ですね。ズドンという音が重かったので公園にいた人が思わず振り向いたほどだ。
さいわいに土の地面だったから、妻は両手と右の頬とを少し腫らしたぐらいで済んだ。
妻は元々転びやすい。少し外股で歩くせいか転ばないまでもしばしば何かにつっかえるそうだ。いつかパリの大通りを地元の人に倣って信号を無視して渡ったときもセンターラインの少し高くなっているところに足を引っかけて前向き四つん這いに転んだことがあってこのときは肝を潰した。
公園で転んでから僅か3日後、今度は家の前を掃き掃除をしているときに踏み石に足を引っかけてまた転んだ。今度は相手がコンクリートだったから左手と右膝から出血したほか、膝の内出血がひどかったので外科病院に行ったほどだ。転びやすいとはいえこう頻度が多くなれば要注意だろう。
五木寛之の「生き抜くヒント」(週刊新潮)によれば我が国での高齢者の転倒・骨折・転倒死の数は平成30年で9803人で交通事故死の3倍以上だそうだ。
年を取るのは自分一人だけではない。妻も年を取る。連れ合いが年を取って困っているのを見ると自分のことのように辛い。老人に年を取るスピードが速く感じられるのはこのせいではないか。
天高し飛雁孤雲に近寄りぬ
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