[一律10万円]
政治問題はいわば一方通行のこのページにはふさわしくないと考えて避けているが一言言いたい。
安倍首相が全国民一律10万円支給することに政策を転換したのには唖然とした。公明党や自民党に突き上げられて決めた決定のプロセスと財源の議論なき内容に不信感を持った。12兆円かかるとのこと。東日本大震災復興税では所得税の2.1%増を財源にして25年掛けて10兆円を捻出したが、財源の裏付けなしにこんな巨額のばらまきを、あたふたと朝令暮改で決めて良いのか。
コロナウイルス感染症によって本当に生活に困っている人がいるのだからこのような人に集中し支援を行うべきなのである。方法が難しいとのことだが必ず出来るはずである。本来はこういうときこそ赤字国債を出して思わざる不況に巻き込まれた人々をきちんと救うことこそ政治なのだが、我が国の慢性赤字財政が本当に必要なときに力が出せないほど病んでいるのが口惜しい。これは財政の専門家を標榜していた宮沢内閣以来の政治の責任ではあるが。しかし、その中でもやれるだけのことをしなければならない。
高額所得者や現在働いていない老人にまで10万円を支給するのは何の名分があるのか。外出制限に協力してくれたお礼とか消費刺激のためとか言われているが、それは次の段階の話である。閣僚がそろって受け取らないことを申し合わせたりするのは制度が歪んでいるからだ。
結局自分が国民にいい顔をしたいためではないか。今まで森友問題にしろ桜をみる会にしろ宰相としての倫理観が決定的に欠けると思っていたが,政策の大綱は正しいと思っていたし外交など体当たりで頑張っているので当面安倍以外はいないと思って支持してきた。しかしこのような浮き足だったプロセスで、ばらまき政治、点取り政治をするならば支持するわけには行かなくなる。
同じような案を提案しようとしていた野党も同罪であるが、野党が点取りに走るのは仕方がない。政治家はまず報酬も50%カットし300億円の政党助成金も返上すべきである。
私は10万円はコロナウイルス対策医療基金が出来れば寄付する。ばらまきを可能にしている国債は以降買わないことにする。安倍内閣には右往左往することなくいまの重要な局面を全力で乗り切って欲しいと願うばかりだ。
花一束流転の海を越へて来し
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