[2019年の本]
2019年の3冊でインターネットイニシャティブの会長の鈴木幸一さんが「日本の小説が面白くないわけではないが、記憶に残る小説や読み物はほとんど海外の作品、として海外の作品を挙げていた。ミロスラフ・ペンコフ「西欧の東」、エイモア・トールス「モスクワの伯爵」、「オルハン・パムク「紅い髪の女」。
鈴木さんは今年日経の「私の履歴書」に履歴を書かれた人で、ネット社会の事業を自分で切り開いた人でありながら実業界の人の書く自慢話に陥らず謙虚で、面白かった人である。
私も最近は長編小説を読めなくなってしまったので日本の小説に転じているが、鈴木さんお気持ちは分かる気がする。ガルシア・マルケスの「百年の孤独、」莫言の「豊乳肥臀」のような作品は日本で出ないものか。とくに最近のように社会がグローバル化している現在、変化の少ない日本社会のことを書いても読者の生活と離れてしまう。
鈴木さんの薦める本の翻訳発行所は「白水社」「早川書房」である。こういう会社があるのは素晴らしいことだと思う。
煤払ひ煤の目玉となつてをり
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