[中国現代推理小説]
月に一度の新宿行き。
ブックファーストでは、先日新聞に載った多和田葉子の現代詩「夏の海」が余りに面白かったので、彼女の詩集を見つけて立ち読みしてみる。やはり面白そうだからネットで買おう。
中国小説を覗いてみたら、台車に山のように積まれていた。
「自転車泥棒」(呉明益)
「三体」(劉慈欣)
「黄」(雷釣)
などなど30種類の本が積まれている。
「ハヤカワミステリーマガジン」に「華文ミステリー」という特集号さえあるように現代推理小説が多くなってきた。
陳浩基の「13/67」の後記に作者が、「幸いにして2011年秋に島田荘司の推理小説賞を得てから題材を構想し始めた」と言っている。また同書の帯には推理小説評論家の玉田誠が、陳浩基のこの作品は先鋭的な推理小説だけではなく、社会派推理小説の傑作だと述べている。
2014年この「13/67」が香港で発刊されるまでは、中国に現代推理小説は事実上ほとんどなく、陳浩基は日本の推理小説で勉強したと言っている。それがこの数年のうちに雨後の竹の子のように現れたというわけだ。
もともと中国は、三国志演義、水滸伝、西遊記、聊斎志異、紅楼夢など物語を生む国だし、莫言などガルシア・マルケスの信奉者が書く現実と架空を行き交う小説が受け入れられる国だから推理小説の大地はあるわけだ。ただ社会派推理小説はとかく反体制の色彩が濃いから存立できるかという問題はあるかも知れない。でも制約があるからこそ社会派小説は生まれるというのも事実ではある。
さて今日の本題の「一億人の俳句入門」講座では、二句提出で入選句なしの惨敗。上手な人は上手だと言うことを実感してとぼとぼと帰る。
築百年家取り壊す涼しさよ
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