2018年6月28日(木)
日限り日記

 [こむら返り]
 このところ時々朝ベッドのなかで足のこむら返りが起こる。左が多いが右足にも起こる。起こると起きた後も痛みが残ってその日一日歩行がしにくくなることさえある。
 昨日は特別に強いのが起こってしまったので病院行きを考えた。
 こむら返りは何科を受診したら良いのか。筋肉の痛みで整形外科と思っていたが、ネットで調べてみると、こむら返りの原因は糖尿病、腎臓病、肝臓病、動脈硬化、脊椎の病気などなどいろいろあるらしい。自分のこむら返りの原因を自分なりに推測して受診科を選べということか。
 定期的に受診しているのは循環器科なので、受付でこむら返りを見てもらえるかどうかを聞いて見ることにしよう。今回は治まったので、次の機会に。
  
 
  ハンモックこむら返りも襲ひ来て
  
  
  

2018年6月26日(火)
日限り日記

[俳句会]
 昨日よく眠れなかったが5時に起きてしまった。
 ベッドの中で拍動が不整なときがある。今朝はそうではなかったがベッドで頭が醒めているときはじっとしていられない。
 俳句会で新宿へ。タカノで軽い食事をし、コーヒーはカフェインの影響を怖れて一口飲んだだけだったが、そのせいか脈がおかしい。期外収縮が頻発する。不整ではないが予防的に抗不整脈を飲んで会に出席した。
 会では同じ結社に入っていて日頃結社誌の投句欄にいい句を出している人に会って話をした。若い女性と話をするなどという機会はめったにないこと。あなたの句が今一番好きな句だとまでは言えなかったが。
 句会の兼題は「黴」。黴をいやだと思って詠んだあたりまえの句は多かったが、面白いと思って楽しんで詠むことも必要という長谷川櫂先生の評。特選1句入選1句。選ばれたのは嬉しいが一部に先生の手直しがあった。先生の言わんとすることはわかったが、先生の手直し以外にどう直したら良いかが思いつかない。嬉しさも中ぐらい。
 句会では自分の句が選ばれるのは嬉しいが、自分が選んだ句が先生の特選になるのも嬉しいこと。今日は三句選んで二句が特選、一句が入選でまずまずの選句だった。
 
 
 我が手紙妻の人質黴と消えよ
 
 
 

2018年6月23日(土)
日限り日記

[ダブル・ファンタジー]
 直近の「週間文春」の阿川佐和子の対談の相手は作家の村山由佳。村山:「「ダブル・ファンタジー」の性愛の好きな主人公奈津が私だと思われるのはむしろラッキー。生々しい小説を書きたいし、一人でも多くの人に読んでもらいたいから」
 その意気やよし。そこで、と言うわけではないが「ダブル・ファンタジー」を読む。性愛の場面は何か映画のアクションシーンを見ているような、舞台の様式化された動きを見ているようで現実感が薄い。読者である私の年齢のせいか、小説家としての著者の生々しいことを幻想に昇華させる腕のせいか。たまたまWOWOWで映画化されたものの第一話を見る機会があった。小説で幻想の世界を楽しみながら読む作品で、映画になって現実に人の動きが入ると浅薄になってつまらない。
 戸田新十郎の「秘劍水鏡」。この伊藤一刀斎ら主人公の太刀さばきも剣の血なまぐさい感じがしない。幻想の世界のもの。
  
 
   呆かされしか生きゐることさへ朧にて



 

2018年6月20日(水)
日限り日記

 [ゴルフスコアカード]
 ゴルフを始めた29歳から37歳までのゴルフの記録は残っていない。38才から腰痛で引退する71歳までの34年間で759回。平均ストロークは88.8。ベストスコアは76が6回。ハーフベストでは36が4回。ホールインはないが、イーグルが5回。年間平均のベストは54歳の時の85.0。この年は年間52回プレイしている。アマチュアの場合は年齢如何よりもプレイ回数の多いときが良いスコアが出る。
 スコアでもっとも印象深いのは、57歳の時のよみうりゴルフ倶楽部会場記念杯での優勝スコア。雨天のバックティ、ノータッチで79だった。ゴルフの内容にはもうひとつ満足がいかなかったのだが、表彰式で優勝杯をいただき、支配人、所属プロ、フロントの人、食堂の人などから祝福の声をかけられ天に昇ったような気持ちになった。
 ハンディキャップはオフィシャルが12。クラブハンディキャップはよみうりゴルフ倶楽部の9。
 教本ではサム・スニード「ナチュラル・ゴルフレッスン」、ベン・ホーガン「モダンゴルフ」、ジャック・ニクラウス、ニック・ファルドの本などを何度も読んだ。技術論を切り抜きスクラップブックを作った。往年の名プレイヤー陳清波の個人レッスンを受けたこともある。
 ゴルフクラブも毎年のように新製品を買った。自分でシャフトの長さやライ角度を調整したりした。         
 現役時代会社の仕事以外では一番打ち込んだのがゴルフだったと思う。高校や大学の仲間のコンペは楽しかったが、仕事上のゴルフは大変だと思うことが多かった。会社を退職して自由にゴルフを楽しめることを期待していたが、いざ退職してみたらあまりやりたいと思わなくなってしまった。スコアは悪くなるし、仲間とやるにしても予定に縛られるのが窮屈だし、一人で行くには腕が落ちているし腰痛がでるのも怖い。妻とやるのは楽しいがそれまでの張り詰めたゴルフとは違う。
 一緒にプレイした人はスコアカードで名前を見ると懐かしい。大勢のコンペで会った人のなかには名前を見ても思い出せない人もいるが。一番一緒に良く行ったゴルフ仲間は鬼籍に入ってしまった。この人はゴルフの腕前はそれほどではなかったが、誰であっても同伴競技者をリスペクトしてゴルフをやる人だった。
 ゴルフの道具を処分するのは簡単だが、スコアカードの束を処分するのは思い出を捨て去るようで簡単ではなさそうだ。
 
 
  梅雨晴やワールドカッまづ一勝
 
 

 

2018年6月18日(月)
日限り日記

  [ゴルフ場]
  ゴルフクラブを廃棄したので、ゴルフのデータにもケリを付けるつもりで昨日と今日の二日間かけて、今までのゴルフのデータを集計分析した。
  ゴルフデータで正確に残っているのは、38才からのデータである。ゴルフを始めたのは29歳だったが38才頃にプレイの回数も増えスコアも100を切れるようになって面白くなった。記録を取ることは記録を良くすることになると思って付け始めた。
  そういうことを前提にしてまずプレイしたゴルフ場についての総括。
  ゴルフ人生で訪れたゴルフ場は国内外173カ所。国内では関東が圧倒的に多いが北海道も6カ所、九州も沖縄を含めて5カ所ある。これは仕事柄全国にあるお得意先と一緒にゴルフをする機会が多かったからである。海外では、アメリカ、タイ、マレーシア、イランで6カ所プレイした。
  ホームコースは、青梅カントリークラブ、よみうりゴルフ倶楽部、平塚富士見カントリークラブ、彦根カントリークラブ、大相模カントリークラブ、富士御殿場ゴルフクラブ。回数が多かったのは、よみうりゴルフ倶楽部、平塚富士見カントリークラブ、大相模カントリークラブ。
  173カ所のゴルフ場で特に私の印象に残るゴルフ場ベスト5は、美しさと風格から言って、函館の大沼国際カントリークラブ、日光カントリークラブ、レイクウッドゴルフクラブ、名神八日市カントリークラブ、フェニックスカントリークラブ。
  海外では革命以前のイランのパーレビ国王関係のゴルフ場でプレイした。
  妻と良く行ったゴルフ場は、軽井沢浅間ゴルフコース、水上高原ゴルフコース、小海エリックスカントリークラブ、霞ヶ浦国際ゴルフコースなど。
  今でも時々ゴルフの夢を見るが決まって空振りをした夢である。初めてコースに出た小山カントリークラブ一番のスタートで、私は何組かのゴルファーの前で4回連続して空振りをしたのだった。
  
  
   やせ地なり原発薔薇園ワイン畑
  
  
   

2018年6月16日(土)
日限り日記

 [「秘劍水鏡]を買う」
 睡眠呼吸クリニックへ。受診の前に検査技師から、呼吸のデータを無線で飛ばすシステム(今はSDカードを受診の都度持参する)に入ってもらえるどうかを聞かれた。
 個人データがサーバ管理会社に見られる可能性がありそうなので、参加しないと断った。
 今後医学の診療が遠隔コントロール化されるという話もあったが、それはその時考えれば良いこと。
 受診では若い医者に聞きたいことをメモしていっていろいろ聞いた。
 ある大家の先生の本にこういうことが書いてあるが私の場合も当てはまりますか、というような聞き方をしたら、私も一応循環器科の医者ですからと言われてしまった。失礼な聞き方をしたかも。
 最近米澤穂信「儚い羊たちの祝宴」「氷菓」、宮下奈都「羊と鋼の森」を読んだが、あまり感心しなかった。「羊と鋼の森」は本屋大賞を受賞した作品だが、「舟を編む」(三浦しをん)もそうだったが面白くなかった。本屋大賞は私には合わないのかもしれない、多分若い本屋さんの推薦なので。そこでがらりと趣を変えて「秘劍水鏡」(戸部新一郎)を買う。1993年に出たものの文庫版。古いが剣豪小説の白眉と言われているそうなので。
 
 
  花梯梧(でいご)風を四方へ放ちをり
 
 
 

2018年6月14日(木)
日限り日記

 [ゴルフクラブ]
 大ゴミに出すゴルフクラブを束ねて見たら24本ある。大ゴミ事務局には15本と届けていたので、追加を申し出ようとしたがもう夕方の6時で終業時間を過ぎている。
 なぜ数え間違えたのか、なぜもっと早く準備しなかったのか悔やむ。
 とりあえず最寄りのコンビニに大ゴミの切符追加分を買いに行ったが200円券(ゴルフクラブは15本ごとに200円)はないというので、別の店に行って買い求める。阿呆なミスをしたことを挽回しようとしているためか焦る。焦る気持ちと焦るなという気持ちとがぶつかり合って気分が悪くなる。馬鹿なこと。
 朝8時大ゴミ収集車来る。200円券を貼った追加のゴルフクラブも何ごともないかのように運ばれていく。
 24本のクラブの購入価格はおそらく30万円はくだらない。大きなコンペで優勝してらったドライバー一本とゴルフバッグ、最初から最後まで使い続けたウエッジだけを記念に残して400円を付けてお払い箱とする。私の55年を超えるゴルフ人生も。
 
 
  土用灸ゴルフクラブを大ゴミへ
 
 
 

2018年6月11日(月)
日限り日記

   [「孤狼の血」(柚月裕子)]
 警察小説とヤクザ小説を融合させた作品。私としては多分初めて読むジャンルのもの。日本推理作家協会賞を取っているし、2015年の推理小説ベスト10の2位に入っている作品ということで読み始めてみたが、迫力があり面白くて巻を置く能わずであった。
 同じ作家は今「盤上の向日葵」が注目を集めている。中島京子、西加奈子、千早茜とか面白い作家が出てきている。今は小説なら女流作家の方が面白いのではないか。俳句でも少し年配ではあるが正木ゆう子は今もっとも勝れた作品を産んでいる俳人だと思う。
 残された時間何を読むべきか。死ぬまで勉強と考えれば、論語の読み残しとか萬葉集の続きとか古代史とかとなるのだろうが、面白ければ何を読んでも良いとなればまた話は別である。まあそれでも良いのでしょうね。
 このあと「竪硬如水」を再開したが思っていたよりも読んで面白くない。閻連科のマジックリアリズムは面白いのだが、私の中国語を読むスピードが遅すぎるのか、手早く日本語のものを読んだ方が楽しいと思うようになった。また戻るかも知れないが。
 
 
  無量なる凌霄花(ノウゼンカズラ)となるマグマ
 


  

2018年6月9日(土)
日限り日記

 [セクハラ・パワハラ]
 セクハラやパワハラの基準は、本当にここ二三年急に上がっている。これからもまだまだ上がりそうだ。
 会社員時代、自分はどうだったかと言えば、今の基準ではクリアできないものがあったかもしれない。
  退職後の最近で言えば、語学の個人授業などでは起こりえたかもしれない。先生からセクハラ・パワハラを受ければ生徒はその授業を辞めれば良いだけだが、生徒からセクハラ・パワハラを受けても先生は、あなたには教えませんと言えばお客を失うことになるし、生徒が減れば先生は所属している学校の勤務評定が下がる。生徒は先生を選べるが先生は生徒を選べない。
 私は現代作家の莫言、閻連科、余華の小説を選んで中国人の女の先生(既婚子供あり)と講読をしてきた。彼ら作家に共通しているのは、社会の規制から自由に生きる男女の活き活きした日常を書くことである。
 自習して分からない文章を聞くという進め方だったが、男女関係とかセックスシーンのきわどい文章について聞くことも多かったと思う。先生は、私を困らせるために意図的にそのような文章を選んで聞いているにちがいない、と笑って抗議していたが。
 表現も日本のものに比べれば抑制の効いたものであるし、文章も中国人にとっては普通の簡単な文章なのだろうが、セックスシーンを全文漢字でどのように表現するかは面白い比較漢字文学のテーマなので、聞かないわけにはいかなかった。
 笑って抗議するというのがくせ者だ。笑って言われればまあ許されているのかと思って続けてしまう。このような場面女性がきっぱりと怒ってくれればことは簡単なのだが、そうも行かないのがセクハラの難しい点だ。
 生徒からセクシーな文章を読まされ、解説をさせられた、と言うのがセクハラになるのかどうか分からないが、最近ではセクハラされていると相手が認識すればセクハラであるとされるようになったから微妙ではある。
 こうなると授業も窮屈で面白くない。もっともいま個人授業から遠のいているのはもっぱら体調不良によるためなのだが。
 
 
  空豆はもぎし朝の空の味
   
 


2018年6月7日(木)
日限り日記

  [庭の鳥たち]
 飼い猫が亡くなったので、安心して庭に鳥の餌を撒くことが出来る。猫の餌をつぶしたもの、パン屑、お米など。
 今来る鳥は、椋鳥と雀。椋鳥は集団での鳴き声がうるさく、ねぐらに近い家にひどい迷惑を与えているようなので、餌をやるには少し気が引けるし、雀は向かいの家の瓦屋根の隙間に住んでいることは明かだから、これも餌をやるのは少し気が引けるが、可愛さには勝てない。猫の代わりには到底ならないが。
 椋鳥は、縄張り意識が強い。縄張りを守るには一羽では難しい。番の二羽がいると百戦百勝である。一羽が見張りをし、一羽が食べる。あるいはともに戦う。夫婦というのは縄張りを守る最強のシステムであるか。
 雀は一人前に飛べるくせに餌は親からねだる。一羽の親が連れて来る小雀は二羽までのようだ。3メートルぐらい離れていても自分からは寄ろうとはせずに羽根を小刻みに震わせて親鳥に餌をねだる。すべては飛べてからのこと。親鳥も餌をやっている喜びが溢れている。
 昨日は庭の芝生にカタバミが増えたので除草剤を噴霧器で撒いた。MCPP剤10mlを2lに薄めて軽く撒いただけだったが、今朝は椋鳥も雀も来ない。多分鳥には除草剤の匂いや色が遠くからでも感じられたり見えたりするのだろう。
 妻が少し離れた道を歩いていたら、頭上で鳥がけたたましく鳴き、遠ざかったら鳴き止んだ。我が家を縄張りにしている椋鳥が、餌をやる自分を覚えていたに違いない、と言う。まさかとは思うが、鳥の能力は人智の及ぶところではないからそうだとしておこう。
 
 
  茄子苗に茄子の花咲く花屋かな
 
 
 

2018年6月5日(火)
日限り日記

 [すごいトシヨリBOOK]
 「すごいトシヨリBOOK」(池内紀)を読む。曾野綾子や五木寛之の人生ガイドブックものは読まないと決めているが、近くの本屋が閉店になるというので何冊か買ってあげたうちの一冊。
 楽しく老いる極意と帯にはあるが、私より6歳若い人に見習っても始まらないのかなと思いつつ読んだ。
 老いの一つの現象である「横取り症」(他の人が話している話題を横取りしてしまう)は日本人の場合子供の時の教育にもよるという。ヨーロッパでは老若の差別なく意見を言い、他の人はじっとその意見を聞くという教育が出来ている。日本の場合は、力のある人が人の話に口を挟む。老いて益々それが高ずる。
 ほかにいくつか面白い言葉を拾い上げてみよう。
 ・年寄りは群れたがる、自立が必要。
・なぜ不機嫌なのか原因を探ってみる。自分に見捨てられ、言葉に見捨てられ、世間に見捨てられるのが老いの特性だからこれで不機嫌になっても仕方がない。
 ・お洒落を楽しむ、季節の変わり目には洋服をクリーニングに出す。
 ・小説や物語を読み直す、出来れば要約本で。
 ・トシヨリになってから新しく開発した趣味は長続きしない。
 ・医学に限界あり、医者を崇めない、自分が自分の主治医。病気を治療しない選択あり。
 
 やはり、自分の生き方を良しとしてそれを読者に伝えるという自慢話から抜けられないところもあるし、著者はドイツ文学者だから全篇を通じてヨーロッパの風習を良しとする傾向がある。しかしこの本は著者が長い間思うところをメモに取ってきたものをまとめたものでもあるそうだから思いつきではない。結局は自分で工夫して自分の世界を作っていくしかない。
 副題の「トシをとると楽しみが増える」というのは、70歳代までの年寄りかも知れませんね。そう言うと自分で自分をトシヨリに作っていることにはなるのだが。
 
  昼顔や今日も誰かの誕生日
 
 
 
 

2018年6月3日(日)
日限り日記

 「運転免許証返納成る」
 最寄りの警察署で運転免許証の返納と運転経歴証の発行を依頼。前回は自分で撮った写真が不合格だったが、今回は駅なかの免許証パスポート写真撮影機を利用した写真だったので合格。運転経歴証はマイナンバーカードを持っているので必要ないような気もするがとりあえず申請。
 いやに警察署員が親切だったのは、最近とみに増した高齢者の交通事故により、運転免許証返納を促進するためか。親切なのは当然の態度と言うべきで、前回のような写真の細かいことにケチを付けるなどは不届き千万なのだ。前回は憤慨しすぎて体調を悪くしたので今回は何を言われようとお上に従うという態度で臨んだのだが、何ごとも起こらずかえって拍子抜けした。
 この際と思って警察署のなかを見回してみた。一階の大部屋に大体50人ぐらいで女性は一割にも満たない。男性警察官も女性警察官も若くて体力がありそうで上下関係が明かという共通した雰囲気を持っている。組織が人格を作る。正直のところ若すぎて子供のように見えるのだが、今はこの人達が社会を支えているのだと思うと一層の老いを感じた。
 駅ビルの本屋も6月末で閉店することが決まったとのこと。本屋はどんどん少なくなる。
 せめてということで「すごいトシヨリBOOK」(池内紀)、「古代史講義」(佐藤信編)、「孤狼の血」(柚月裕子)を買う。
 
 
  老鶯(おいうぐいす)運転免許返上す
 

2018年6月1日(金)
日限り日記

 [「そろそろ左派は経済を語ろう」を読んで]
 松尾匡(経済学者)、北田暁(社会学者)、ブレディみかこ(ライター・コラムニスト)の鼎談。
 要点は次のごとし。
 欧州の左派は「先ず経済成長が大切」と主張し「緊縮財政反対」なのに対して、日本の左派は「森友・加計」「改憲問題」「原発問題」に関心があり、経済はデモクラシーとは関係のない事柄と思って関心を持っていない。分配は需要だが、経済成長は必要ないという声さえある。
 緊縮財政で財政赤字を削減できた国はない。イギリスは超緊縮財政政策をとったために、益々財政赤字が膨らみ下部構造の国民を苦しめている。富裕層と下部構造の格差も広がっている。
 反緊縮財政を進めたカナダ、ポルトガル、スエーデンでは実質成長率が増加、雇用も増加、財政赤字も減っている。
 すべては経済成長から始めないといけないことに左派・リベラルは気がつくべきだ。
 
 私は基本的に財政均衡が緊急の課題と考えてきた。すなわち、アベノミックスのように財政規律を二の次にして次世代の借金を増やしていって良いのか、政府の日銀に対する借金は国内からの借金だから問題ないというが本当なのか、経済成長によって国の債務は本当に削減できるのか(成長頼みの財政再建は本当に可能なのか)、という疑問に対して、今まで明確な答えが得られなかったからだ。
 この本は、ブレディみかこという在英のライター・コラムニストのヨーロッパ在住生活から得た生のレポートに基づいて、経済学者と社会学者が疑問に答えている。
 しかし、この本は緊縮財政反対派の鼎談なので、偏りの多い本だと思う。緊縮財政が必要という派の、なぜ経済成長を犠牲にしてまでも緊縮財政が必要なのかを改めて聞いて見たい。
 
 
 初夏の日に背中押されて朝散歩