「君の膵臓を食べたい」
一時期ベストセラーになり映画化されたともいう「君の膵臓を食べたい」(住野よる)を読んだ。膵臓癌を病んでいる女子高校生が、知り合いの男子クラスメートに対して言った言葉である。昔の人はどこか悪いところがあるとほかの動物のその部分を食べたというのが、その言葉の理由である。
全篇を通じて高校生の友情と淡い恋心がストイックに書かれていて、気持ちがよかった。高校生の孫娘が、とても真面目な本だよと言っていたのが肯けた。
最後に女子高校生が、病ではなく突然の暴漢に襲われて命を落とす。そして男子高校生(秘密を知っているクラスメートくん)は、女子高校生の女の友人と次の高校生活を切り開いていく、というあたりは、もう一つすっきり来なかったが、それも明るい未来のためにありなのだろう。
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