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2016年1月30日(土)
日限り日記

[日本書紀]
去年まで2年半掛けて「古事記」の全編を読んだ。いまは、「日本書紀」を読んでいる。全部で50講だから、長い「日本書紀」では抜粋になる。
「古事記」が天皇家のための歴史物語だとすれば、「日本書紀」は中国に向けて、国家としての日本の存在感を示すのが目的だったとされている。「古事記」は、文学あるいは神話としても読めば良いので気楽だが、「日本書紀」は、正統な歴史と嘘の歴史がない交ぜになっているので気をつけないといけない。しかし、そこが面白いとも言える。
中国向けの国家宣伝の趣があるから、全編を通じて日本は中国が手こずっていた朝鮮に対して優位にあったという論調で貫かれている。しかし、嘘のつけない事実もあって、一例は日本が百済救済で赴いた白村江の戦いで、唐軍に完敗したことである。
このとき、百済の難民が逃れて日本に来るのだが、それがいったい何人であったか。
天智天皇の巻によると
百済の民男女400人を近江国神崎郡に住まわせた。
百済の男女2000余人を東国に住まわせた。
百済の人に対して3年間国費による食を賜った。
とある。唐は二千人規模の使者を派遣してくる。天智天皇記は、白村江の戦いと敗戦処理に追われる天皇の記事で溢れている。

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